頭痛外来
頭痛の原因は多岐にわたります。痛みの原因が何であるかを判別し、頭痛が強い場合は予防薬・頓挫薬を使用して症状の緩和をめざします。頭痛でお悩みの方はぜひご相談ください。

頭痛の原因とタイプ
頭痛の原因は様々で症状も人により異なります。中には命が脅かされるような危険な頭痛や、それぞれの原因によって治療法も異なってくるので、そのタイプを見極めることは非常に重要です。 頭痛は大きく下の二つに分けられます。
二次性頭痛
頭や体に病気があって起こる頭痛でクモ膜下出血、脳腫瘍、髄膜炎などがあります。特徴をひとことで言えば「いつもとちがう頭痛」で、命に関わる場合もあるため要注意です。この頭痛の場合は、速やかに脳神経外科や神経内科への受診が必要となります。その他、副鼻腔炎、緑内障、顎関節症も頭痛の原因となりますので、必要の際は各専門医へご紹介いたします。

片頭痛
慢性頭痛の治療の中心となるのは、生活支障度が高い片頭痛です。
症状
脈打つようにズキンズキンと痛む頭痛発作が月に1回から数回起こり、緊張型頭痛と思われがちな肩こりも片頭痛患者さんに認められます。吐き気、光や音、臭いに敏感になるといった症状を伴い、階段の昇り降りなどの日常生活動作で痛みが増すため、頭痛がひどい時は部屋を暗くしてじっとしていたいという患者さんも多くいます。また頭痛前に、目の前が眩しくチカチカして見えづらくなるという現象(閃輝暗点)を訴えることもあり、これを片頭痛の前兆と言います。
治療について
片頭痛治療の目標は日常生活が可能な状態に戻ることです。薬を使用する場合は消炎鎮痛薬やトリプタン系薬剤が代表的で、これらは頭が痛い時に服用する薬です。この他、頭痛回数が多い場合などは、痛みの有る無しに関係なく毎日薬をのんで頭痛を起こさないように予防することもあります。これは片頭痛が長期化すると脳が過敏状態になり頭痛が治りづらくなり、予防薬をのむことで頭痛を軽くするのが目的です。予防薬をのみながら、頭痛発作に対して鎮痛薬やトリプタン系薬剤で速やかに頭痛を改善させます。

緊張型頭痛
症状
頭の両側がギュ−ッと締めつけられるような頭痛が、数十分から数日間続きます。パソコン業務や前かがみの時間が長い仕事のように、長時間同じ姿勢を続けることで首や肩のコリを伴うことが多い頭痛です。ストレスや過労も原因となるため、1日のうちでは午後から夕方に症状が強く出るのが特徴です。
治療について
治療は消炎鎮痛薬が多く使用されますが、長期連用による薬剤の使用過多による頭痛や胃腸障害の発症に注意が必要です。筋緊張が強い場合は筋緊張を緩和し血行を改善させる作用のある薬を内服すると効果的です。
また、パソコンに向かう時間が長い人は肩甲骨周囲をほぐすようなストレッチを行うことが大切です。

群発頭痛
症状
群発頭痛の症状は、「えぐられるような痛み」と表現されるような片側の目の奥に出現する激しい頭痛です。痛みは15分から2-3時間続き、その後自然に治まります。一旦起こり始めると、1〜2ヵ月間連日頭痛発作が続き(群発期)、このような痛みの発作は1〜2ヵ月過ぎると消失し(寛解期)、半年から2〜3年後に同じような痛みが起こります。夜間の頭痛発作が多く、発作期間中はアルコールを摂取すると痛みを誘発するという特徴もあります。さらに痛みと同側に涙が出る、目の充血、まぶたの垂れ下がり、鼻水・鼻づまりなどの症状をしばしば伴います。片頭痛が女性に多いのに対し、群発頭痛は男性に多くみられます。
治療について
急性期(発作期)治療は、一般の鎮痛剤はほとんど効果がなく、100%の酸素吸入と片頭痛の特効薬であるトリプタン製剤が唯一効果を発揮します。また、群発期はほぼ毎日痛みが非常に強いことから、片頭痛と同様に予防薬を使用します。

薬剤の使用過多による頭痛
片頭痛あるいは緊張型頭痛の患者さんが、頭痛薬を頻繁に飲んで痛みを抑えることを繰り返していると、痛みに対し敏感になって頭痛薬が手放せなくなり、毎日のように頭痛が誘発されるようになります。この状態を薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)といいます。薬の過剰服用が引き金となり、痛みの閾値が下がってしまうことが原因と考えられています。慢性関節リウマチや腰痛などの疾患に対して、長期に渡って大量の鎮痛薬を服用していてもこの頭痛が問題となることは極めて稀なことから、片頭痛や緊張型頭痛の病態そのものが発生要因に寄与している可能性があります。月に10回以上、3ヶ月続けて頭痛薬を服用していらっしゃる方は、一度ご相談下さい。
