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2017.9.3

臨床心理士のコラム第2回 「バランスの良い考え方でストレスケア」 若林佑子

バランスの良い考え方でストレスケア

今回のコラムは、「ストレス」と「物事の捉え方」の関係についてです。

●ストレスはただの悪者じゃない!
ストレスというと“悪い”というイメージがありませんか?

ストレスとは「外部から刺激を受けて体に起こる反応と、その原因となる刺激(ストレッサー)のこと」を指し、ストレス自体が“悪い”わけではありません。
最近では「適度なストレスは精神成長を促す」ともいわれ、行動を起こすためのモチベーションになることも広く知られてきました。
ストレスには、いい面もあるということです。

では、ストレスが“悪い”ものになるのはどういう状態かというと、
受けているストレスの大きさと、その人自身のストレスに耐えられる力のバランスが崩れたときです。
その人が耐えられる力以上の大きいストレスを受ける、または小さいストレスが積み重なってその容量を超えてしまうと、不眠や浅眠、いら立ちやすさなど様々な不調があらわれます。

●“ものの捉え方”によってストレスの感じ方が変わる
ストレスに耐えられる力には、個人差があります。
個人差を生む理由はさまざまあるのですが、その一つに、人によって起こった出来事や物事に対する“評価(アプライザル)”が違うから、という点があります。

例えば、AさんとBさんが一緒に上司に呼ばれ、仕事のミスについて怒られたとしましょう。
同じように上司に怒られたのに、Aさんは「もうだめだ。」とひどく落ち込み、Bさんは「あー、終わった!」と元気にしていました。

このような違いは、出来事に対する“評価”が違うから起こるといわれています。

「上司に怒られる」という事実はAさんにもBさんにも起こった出来事であり、ストレスの原因になりえます。
しかしAさんにとって「上司に怒られる」ことは自分を否定され、仕事の継続を脅かすようなこととしてAさんに“評価”されたことが考えられます。
一方のBさんにとって上司の話した内容は、ただの修正事項の伝達として“評価”され、むしろ自分の時間を奪われていることにイライラしていたために、終了後は開放感を感じて元気になっていたのかもしれません。

つまり、同じストレスにさらされたとしても、物の捉え方の違いによって感じ方が大きく変わってくる、ということです。

●物事の捉え方が偏るとストレスが高まる!?
誰にでも、多少の考え方の偏りはあります。
しかし、物事の捉えがネガティブな方向に偏り過ぎてしまうと、他の人にとって些細なことが大きなストレスとして感じられることがあります。
これから起こることに対してネガティブな想像ばかりが膨らんで、身動きが取れなくなってしまうこともあるかもしれません。

・何をやってもうまくいかない。
・自分だけ、周りの評価が低い。
・やるべきことが全くできない。
・あいつのせいで自分はこんな風になった。

このような考えがグルグルと頭をめぐるようなときや、
ご自身の行動に影響を及ぼしていると感じるときには、物事の捉えが偏りすぎているのかもしれません。
偏った考え方が悪循環を起こしてしまい、感じるストレスがどんどん膨らんでいってしまうことも…

●人に話すことで偏りに気づく
自分では捉え方の偏りに気づきにくいものです。
一人で考えていてもネガティブな考えから抜け出せないという時は、人に話をするという手段が有効です。
家族や他の人に相談をして、「あれ?」と思うほど人や物の印象が変わった経験はありませんか?
カウンセリングでも、この物事の捉え方の偏りにアプローチすることができます。
家族や友達には言いにくい、迷惑をかけそうで嫌だという時、同じような思考に長年悩まされている時、すでに日常生活に困難が生じている時は、ぜひ一度ご相談ください。

バランスの良いもの捉え方を手に入れて、日常的なストレスケアを心がけましょう!

臨床心理士 若林佑子
参考文献)
『ストレス診療ハンドブック』河野 友信, 石川 俊男, 吾郷 晋浩, 永田 頌史 (編集)
メディカルサイエンスインターナショナル

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